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【W杯徹底分析】カルタゴの鷲チュニジア代表:鉄壁守備と日本との因縁、そしてジャイアントキリングの歴史

2026年FIFAワールドカップ、日本代表がグループステージ第2戦で激突する相手、チュニジア代表。その名を耳にして、2022年キリンカップでの悪夢のような0-3の敗戦を思い出すサッカーファンも少なくないでしょう。「カルタゴの鷲」の愛称で知られる彼らは、決して派手さはないものの、アフリカの強豪として確固たる地位を築いてきた「試合巧者」です。驚異の10試合連続無失点でW杯予選を突破した鉄壁の守備組織、そして大舞台で強豪フランスを沈めたジャイアントキリングの記憶。この記事では、4500字を超える大ボリュームで、チュニジア代表の謎に満ちた強さの秘密を徹底的に解き明かします。歴史的背景から最新の選手情報、国内メディアの反応、そして日本がリベンジを果たすための戦術まで、その全貌に迫ります。

この記事でわかること

  • チュニジア代表のW杯とアフリカネイションズカップでの輝かしい歴史
  • 2026年W杯予選を10試合無失点で突破した驚異的な守備力の秘密。
  • G大阪のジェバリ、フランクフルトのスキリなど、注目選手の詳細なプロフィールとプレースタイル
  • W杯組み合わせ決定に対するチュニジア国内メディアや監督たちのリアルな反応
  • 2022年キリンカップの悪夢とは?日本との因縁の対戦履歴
  • 日本が「カルタゴの鷲」を打ち破るための具体的な戦術と攻略法
目次

「カルタゴの鷲」の誇り:チュニジアサッカーの歴史と栄光

チュニジアは、北アフリカのマグレブ地方に位置し、古代にはカルタゴが栄えた地として知られています。その歴史的背景は、彼らのサッカーにも色濃く反映されており、「カルタゴの鷲」という愛称は、その誇りと不屈の精神を象徴しています [4]。

W杯史に刻んだアフリカ勢「初勝利」

チュニジア代表が世界の舞台にその名を轟かせたのは、1978年のアルゼンチンW杯でした。初出場ながら、メキシコを3-1で下し、アフリカ大陸のチームとしてW杯史上初となる記念すべき勝利を挙げたのです。この一勝は、アフリカサッカー全体のレベルを世界に示す大きな一歩となり、その後のアフリカ勢の躍進の礎を築きました。

2022年カタールW杯でのジャイアントキリング

記憶に新しい2022年カタールW杯では、グループステージで前回大会王者フランスを1-0で破るという歴史的なジャイアントキリングを達成。惜しくもグループステージ突破はなりませんでしたが、その組織的な守備と鋭いカウンターは世界中のサッカーファンに強烈な印象を残しました。

アフリカの頂点へ:2004年ネイションズカップ優勝

チュニジアサッカーの最も輝かしい瞬間は、自国開催となった2004年のアフリカネイションズカップでの初優勝です。決勝でモロッコを破り、国民に悲願のタイトルをもたらしました。この優勝は、チュニジアがアフリカの強豪国であることを改めて証明する出来事でした [5]。

大会主な戦績
FIFAワールドカップ出場6回(1978, 1998, 2002, 2006, 2018, 2022)。1978年にアフリカ勢初勝利、2022年にフランスを撃破。
アフリカネイションズカップ優勝1回(2004年)、準優勝2回。アフリカを代表する強豪国の一つ。

2026年への道:驚異の「10戦無失点」で予選突破

チュニジア代表が2026年W杯への切符を手にした道のりは、まさに圧巻の一言でした。アフリカ予選の10試合を、なんと9勝1分、22得点、そして無失点という驚異的な成績で突破したのです [1]。この数字は、彼らの最大の武器が鉄壁の守備組織にあることを何よりも雄弁に物語っています。

サミ・トラベルシ監督の下、チームは4-1-4-1や5-3-2といったシステムを柔軟に使い分け、相手の攻撃を徹底的に封殺。特にリードした後半に見せる5バックへの移行と、中央を固めるコンパクトなブロックは、いかなる強豪国にとってもこじ開けるのが困難な堅牢さを誇ります。この組織的な守備こそが、彼らが格上相手にも互角以上の戦いを演じられる力の源泉なのです。

国内の反応:「勝機は互角」「強豪との対戦はハードル」

グループFの組み合わせが決定した際、チュニジア国内の反応は期待と警戒が入り混じったものでした。チュニジアメディア『La Presse de Tunisie』は、国内1部リーグの監督たちの様々な見解を報じています [2]。

「決して簡単ではない。もっと手強くない相手と当たりたかったが、オランダや日本のような強豪国と戦うのは大きなハードルだ」
(CAビゼルティン シヘブ・エリリ監督)

「日本サッカーの発展や2度のベスト16進出を考えれば強敵だが、両国の勝機は互角だ」
(CSスファクシアン モハメド・クーキ監督)

これらのコメントから、オランダを格上と認めつつも、日本に対しては「十分に戦える相手」と捉えていることが伺えます。特に2022年の勝利体験が、彼らに自信を与えていることは間違いないでしょう。彼らは日本をリスペクトしつつも、決して臆することなく、勝利を目指して挑んでくるはずです。

注目選手:Jリーガーから欧州トップリーグの司令塔まで

現在のチュニジア代表には、欧州のトップリーグで活躍する実力者たちが名を連ねています。特に日本代表が警戒すべき選手たちを見ていきましょう。

  • エリス・スキリ(MF/フランクフルト): ドイツ・ブンデスリーガで堂安律の同僚でもあるチームの心臓。豊富な運動量と卓越したボール奪取能力で中盤を支配し、正確なパスで攻撃の起点ともなる司令塔です。彼をいかに封じるかが、試合の鍵を握ります。
  • イッサム・ジェバリ(FW/ガンバ大阪): Jリーグでプレーするため、日本のサッカーファンにもお馴染みの存在。独特のリズムを持つドリブルと、ゴール前での嗅覚は非常に厄介です。日本のDF陣は彼のことを熟知しているはずですが、それでも抑えるのは容易ではありません [3]。
  • モンタサル・タルビ(DF/ロリアン): フランス・リーグアンで活躍する守備の要。対人能力の高さとクレバーなカバーリングで、鉄壁守備陣を統率します。
  • ハンニバル・メジブリ(MF/バーンリー): マンチェスター・ユナイテッドからのレンタルでプレミアリーグを経験した若き才能。創造性あふれるプレーで攻撃に変化を加えるゲームチェンジャーです。

日本との因縁:2022年キリンカップの悪夢を乗り越えろ!

日本代表とチュニジア代表の対戦といえば、2022年6月にパナソニックスタジアム吹田で行われたキリンカップ決勝を忘れることはできません。当時、W杯本大会に向けて調整を進めていた森保ジャパンは、チュニジアの組織的な守備と鋭いカウンターの前に沈黙。PKでの失点を皮切りに立て続けにゴールを奪われ、0-3という屈辱的なスコアで完敗を喫しました [6]。

この試合は、日本の選手たちに「アフリカ勢の組織力と試合巧者ぶり」を痛感させると同時に、ファンにとってはW杯本番への不安を掻き立てる一戦となりました。しかし、翌2023年10月の親善試合では、日本が2-0でリベンジに成功。この勝利は、チュニジアの堅守を崩すためのヒントを与えてくれました。

日本が「カルタゴの鷲」を打ち破るための3つの鍵

2022年の悪夢を繰り返さず、W杯という最高峰の舞台で勝利を掴むために、日本は何をすべきなのでしょうか。攻略の鍵は3つあると考えられます。

  1. 「幅」と「深さ」を使った攻撃で5バックを攻略せよ: チュニジアの堅い中央のブロックをこじ開けるには、サイドバックやウイングが積極的に高い位置を取り、ピッチの幅を最大限に使うことが不可欠です。サイドからの揺さぶりで相手の守備陣形を広げ、生まれたスペースにFWや2列目の選手が飛び込んでいく「深さ」のある攻撃で、ゴールを狙う必要があります。
  2. カウンターへの警戒と徹底したリスク管理: チュニジアの最大の得点源は、守備から攻撃への素早い切り替え、すなわちカウンターです。日本はボールを保持する時間が長くなることが予想されますが、ボールを失った際の切り替えを素早く行い、カウンターの芽を摘む徹底したリスク管理が求められます。
  3. 先制点の重要性: 予選無失点のチームを相手にする上で、先制点の持つ意味は計り知れません。リードを許せば、チュニジアはより一層守備を固め、試合は極めて困難なものになります。試合の序盤から積極的に仕掛け、セットプレーなども含めてあらゆるチャンスを活かし、何としても先にゴールネットを揺らしたいところです。

まとめ:リベンジを果たし、ベスト8への道を切り拓け!

チュニジア代表は、FIFAランキングでは格下かもしれませんが、その実力は決して侮れない「難敵」です。驚異的な無失点記録で予選を突破した組織的な守備力、2022年に日本を打ち破った試合巧者ぶり、そして大舞台でフランスを破った勝負強さ。彼らは、日本が悲願のベスト8以上を目指す上で、必ず乗り越えなければならない壁として立ちはだかります。2022年のリベンジを果たし、W杯通算1000試合目という記念すべき一戦を勝利で飾り、決勝トーナメントへの道を切り拓くことができるのか。カルタゴの鷲との激闘から、目が離せません!


参考文献

[1] サッカーキング. (2025, December 6). 2戦目の相手は堅守・チュニジア代表https://news.yahoo.co.jp/articles/1dfccbd285dd94e849c5af32a940bf9f7f0ff852
[2] サッカーキング. (2025, December 6). “チュニジア1部”の監督陣、日本代表との対戦へ意見様々https://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20251206/2095388.html
[3] SOCCER DIGEST Web. (2025, December 6). チュニジアは“格下扱い”できない難敵だhttps://news.yahoo.co.jp/articles/d50809d01a719469abfc323bbac75dee2dbdd40a
[4] Wikipedia. チュニジアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%82%A2
[5] Wikipedia. サッカーチュニジア代表https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%82%A2%E4%BB%A3%E8%A1%A8
[6] Yahoo!ニュース. (2025, December 6). W杯GLで日本と対戦のチュニジア、監督が意気込みhttps://news.yahoo.co.jp/articles/fb8f02267ecda6686f4a6de16664a7b35ae2c0c5

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