2026年FIFAワールドカップ北中米大会、日本代表のグループF最後のピースとなる「欧州プレーオフB組の勝者」。その座を巡り、ウクライナ、ポーランド、スウェーデン、アルバニアの4カ国が、2026年3月にW杯本大会への最後の切符を賭けて激突します。この記事では、日本のグループリーグ突破の鍵を握るかもしれない、これら4カ国の詳細な戦力分析、W杯欧州予選での戦いぶり、そして注目選手まで、徹底解説します。
欧州プレーオフB組の概要と開催日程
まず、欧州プレーオフB組のトーナメント形式と日程を確認しましょう。このプレーオフは、一発勝負のトーナメント方式で行われます。
欧州プレーオフB組 日程
- 準決勝:2026年3月26日
- ウクライナ vs スウェーデン
- ポーランド vs アルバニア
- 決勝:2026年3月31日
- (ウクライナ vs スウェーデン)の勝者 vs (ポーランド vs アルバニア)の勝者
この過酷なトーナメントを勝ち抜いた1カ国のみが、W杯本大会のグループFで日本、オランダ、チュニジアと対戦することになります。
1. ウクライナ代表:不屈の魂を持つ東欧の雄
ロシアによる軍事侵攻という困難な状況下にありながら、驚異的な精神力でプレーオフ進出を果たしたウクライナ。そのサッカーは、国民の希望を背負い、ピッチ上で不屈の魂を体現する。
W杯欧州予選(グループD)の戦績
フランス、アイスランド、アゼルバイジャンと同居したグループDを、3勝1分2敗の2位でフィニッシュ。首位フランスには2連敗を喫したものの、最終節でアイスランドとの直接対決を制し、プレーオフへの道を切り開きました。
| 試合日 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2025/9/5 | フランス | ● 0-2 |
| 2025/9/9 | アゼルバイジャン | △ 1-1 |
| 2025/10/10 | アイスランド | ○ 2-0 |
| 2025/10/13 | アゼルバイジャン | ○ 2-1 |
| 2025/11/13 | フランス | ● 0-4 |
| 2025/11/16 | アイスランド | ○ 5-3 |
注目選手
- アルテム・ドフビク(ローマ):ラ・リーガで得点王に輝いた経験を持つ絶対的エース。強靭なフィジカルと決定力を兼ね備え、ウクライナの攻撃を牽引します。
- イリア・ザバルニー(パリ・サンジェルマン):欧州トップクラブでプレーする若きセンターバック。対人守備に強く、ビルドアップ能力にも長けています。
- ミハイロ・ムドリク(チェルシー):爆発的なスピードを誇るウィンガー。そのドリブルは、一瞬で局面を打開する力を持っています。
2. ポーランド代表:世界最高のストライカーを擁する古豪
37歳にして今なお世界の頂点に君臨するストライカー、ロベルト・レバンドフスキを擁するポーランド。彼の一振りで試合を決める力は、どのチームにとっても脅威だ。
W杯欧州予選(グループG)の戦績
オランダ、フィンランド、マルタ、リトアニアと同組のグループGを、5勝2分1敗の2位で通過。オランダとの直接対決では2試合とも引き分け、安定した戦いぶりでプレーオフ進出を決めました。
| 試合日 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2025/3/21 | リトアニア | ○ 1-0 |
| 2025/3/24 | マルタ | ○ 2-0 |
| 2025/6/7 | オランダ | △ 1-1 |
| 2025/9/5 | フィンランド | ○ 2-1 |
| 2025/9/8 | フィンランド | ○ 3-1 |
| 2025/10/10 | リトアニア | ○ 2-0 |
| 2025/10/13 | マルタ | ● 2-3 |
| 2025/11/17 | オランダ | △ 1-1 |
注目選手
- ロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ):説明不要の世界最高のストライカー。あらゆる形からゴールを奪う能力は、まさに圧巻の一言。
- ピオトル・ジエリンスキ(ナポリ):中盤の司令塔。正確なパスと戦術眼で、ポーランドの攻撃を組み立てます。
- ヤクブ・キヴィオル(アーセナル):プレミアリーグで活躍する若手DF。守備の要として、レバンドフスキの攻撃を後方から支えます。
3. スウェーデン代表:北欧の巨人が誇る新世代のタレント
ズラタン・イブラヒモビッチという絶対的なカリスマが去った後、世代交代を進めるスウェーデン。ヴィクトル・ヨクレシュカを筆頭に、新たな才能が台頭しています。
W杯欧州予選(グループB)の戦績
スイス、コソボ、スロベニアと同組のグループBで、まさかの0勝2分4敗の最下位。しかし、UEFAネーションズリーグの成績により、辛うじてプレーオフへの望みを繋ぎました。
| 試合日 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2025/9/5 | スロベニア | △ 2-2 |
| 2025/9/8 | コソボ | ● 0-2 |
| 2025/10/10 | スイス | ● 0-2 |
| 2025/10/13 | コソボ | ● 0-1 |
| 2025/11/15 | スイス | ● 1-4 |
| 2025/11/18 | スロベニア | △ 1-1 |
注目選手
- ヴィクトル・ヨクレシュカ(スポルティング):ポルトガルリーグで得点を量産する新エース。その決定力は、イブラヒモビッチの後継者として大きな期待を集めています。
- デヤン・クルゼフスキ(トッテナム):多彩なプレーで攻撃を操るアタッカー。ドリブル、パス、シュートと、いずれも高水準です。
- アレクサンデル・イサク(ニューカッスル):長身ながら足元の技術に優れたストライカー。ヨクレシュカとの2トップは破壊力抜群です。
4. アルバニア代表:悲願のW杯初出場を目指す堅守の雄
W杯本大会出場経験はないものの、EURO2016出場を果たすなど、近年着実に力をつけているアルバニア。その最大の武器は、イタリア仕込みの堅固な守備組織です。
W杯欧州予選(グループK)の戦績
イングランド、セルビア、ラトビア、アンドラと同組のグループKを、4勝2分2敗の2位でフィニッシュ。失点はわずか「5」と、その堅守ぶりを遺憾なく発揮し、史上初のプレーオフ進出を果たしました。
| 試合日 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2025/3/21 | イングランド | ● 0-2 |
| 2025/3/24 | アンドラ | ○ 3-0 |
| 2025/6/7 | セルビア | △ 0-0 |
| 2025/6/10 | ラトビア | △ 1-1 |
| 2025/9/9 | ラトビア | ○ 1-0 |
| 2025/10/11 | セルビア | ○ 1-0 |
| 2025/11/13 | アンドラ | ○ 1-0 |
| 2025/11/16 | イングランド | ● 0-2 |
注目選手
- ベラト・ジムシティ(アタランタ):セリエAで活躍するDFリーダー。対人守備の強さと戦術理解度の高さで、アルバニアの守備を統率します。
- エルセイド・ヒュサイ(ラツィオ):同じくセリエAでプレーする経験豊富なサイドバック。攻守に渡り、チームに安定感をもたらします。
- クリスティアン・アスラニ(インテル):イタリアの名門インテルに所属する若き司令塔。正確なパスで攻撃の起点となります。
まとめ:日本の前に立ちはだかるのはどの国か?
ウクライナ、ポーランド、スウェーデン、アルバニア。それぞれに異なるスタイルと強力な個性を持ち、どの国が勝ち上がってきても、日本にとって厳しい戦いになることは間違いありません。2026年3月のプレーオフを勝ち抜き、北中米の地で日本の前に立ちはだかるのは果たしてどの国か。その戦いから、目が離せません。

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