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フジテレビがF1を日本独占へ――地上波復活・FOD/CS全戦中継・F1 TV連携で視聴体験はどう変わる?

目次

要約(3行)

  • 2026年から5年間、フジテレビが日本のF1放送・配信を独占。FOD/フジテレビNEXTで全戦ライブ、地上波は最大5戦が11年ぶり復活
  • F1 TV(国際公式配信)とも連携し、オンボードやデータ系の拡張が見込まれる。DAZNは今季限りでF1配信終了。視聴導線は大きく再編へ。
  • 2026年の日本GPは3月27日(金)〜29日(日)・三重県・鈴鹿市で開催予定。日本人角田裕毅はシート喪失報道もあり去就が注目。ホンダはアストンマーティンとワークス体制で新規則に挑む。

1. 何が決まったのか:権利の中身と“復活”の意味

フジテレビは2026年シーズンから日本国内のF1独占放送・配信権を取得。配信はFOD、CSはフジテレビNEXT全戦ライブ、さらに地上波で最大5戦が復活する。これは2015年を最後に途絶えていた地上波F1の11年ぶりの復活に当たる。

独占の対象はテレビ(地上波/CS)と自社配信(FOD)。さらにF1 TVとのコンテンツ連携が合わせてアナウンスされ、国際標準のマルチ画面・データ連動視聴の導入が示唆されている。権利期間は5年という長期。国内のF1視聴はフジテレビを起点に再設計されることになる。

他方、これまでプレミアム視聴の主軸だったDAZNは“今季でF1配信終了”を正式に発表。2026年からの主導権はフジ側へ完全に移行する。

2. 視聴方法はこう変わる(2026年〜)

基本導線は次の3本柱だ。

  1. FOD(配信)
    全戦ライブ中継の中核。追っかけ再生・見逃し・マルチデバイスといったVODらしい利便性を提供。F1 TVとの連携により、将来的にオンボードやデータ可視化の強化が期待できる。
  2. フジテレビNEXT(CS)
    従来どおりの安定した多カメラ演出と長時間編成。予選・決勝はもちろん、フリー走行や周辺番組も含む“丸ごと中継”の強みを維持。
  3. 地上波(最大5戦)
    ライト層にとっては無料での入口が復活。各局面のハイライト編集やバラエティ寄りの番組作りでファンベース拡大が狙われる。

※F1 TV(公式直販)は日本での提供形態が連携ベースで明示されており、単独直販モデルか、FOD内連携かは今後の運用発表を待つかたち。少なくとも国際標準の多視点・テレメトリ連動を日本でも楽しめる可能性が高い。

3. 独占化の背景:なぜフジが“再エース”に返り咲いたか

放映権料の高騰で国際スポーツは有料配信へ寄りがちななか、フジは「F1=フジ」の文脈を再強化する意図を明確にした。地上波を梃子にライト層へ再接触しつつ、FODとCSで深い視聴体験**を担保する三層構造は、広告×サブスクのハイブリッド運用にも適合する。

編集部視点では、

  • 地上波復活=フロントエンドの認知拡大
  • FOD/CS=コアファンの継続率とARPU向上
  • F1 TV連携=プロダクトの差別化と国際標準化
    という三点がポイント。日本市場で“広く・深く・長く”を同時に狙える座組みだ。

4. 2026年カレンダーと日本GP(鈴鹿)の位置づけ

FIA発表の2026年F1カレンダーでは、日本GPは第3戦、3月27日(金)〜29日(日)に鈴鹿で開催予定。公式サイトやサーキットの案内も同日程を掲示している。早春の鈴鹿は路面温度が低く風も強めで、タイヤの発熱・空力感度・ドラッグ対策が勝負の分水嶺になりやすい。

旅行・宿泊は周辺ホテルですでに専用プランの案内が始まっている例もある。遠征派は3か月以上前に交通と宿を押さえるのが鉄則だ。

5. 日本人ドライバー 角田裕毅:2026年の立ち位置

複数の専門媒体が角田裕毅のシート喪失去就の難しさを報じている。本人の長尺インタビューでも、レッドブル内の力学や契約面の壁に直面した経緯、そして将来へ視野を広げる姿勢が語られた。2026年のシート情勢はPU規定刷新でチーム力学が再編されやすく、テスト/リザーブやWEC/FEを含め選択肢を柔軟に保持する局面だ。

一方で、日本の視聴導線がフジ独占に整理されることで、角田の露出機会(特番、地上波企画、ドキュメンタリー)が広がる可能性もある。オン・オフ併せた“語り”の設計しだいで、国内ファンベースの再活性化に寄与しうるだろう。

6. ホンダ×アストンマーティン:ワークス連携の狙い

2026年からホンダはアストンマーティンにPU供給。HRCの多拠点体制を生かし、車体とPUの同時最適化(ワークス連携)で新レギュレーション初年度の優位を狙う。オーナーのローレンス・ストロールはホンダとの協業を長期的競争力の核と位置づけ、AMF1のシルバーストン拠点と英国側HRCの連携を前提に開発サイクルを短縮する方針だ。

編集部視点では、

  • 2026年のERS強化・燃費制約下でPU効率の差は依然勝負所
  • ドラッグ削減×回生最大化の“相反”を年初から詰められるのはワークス体制の特権
  • レッドブル/フォード、メルセデス、フェラーリとの四つ巴で、ホンダは初年度からタイトル射程に入る現実味がある
    と見ている。

7. 新時代の“見る”体験:プロダクト面の進化点

  1. マルチ視点の一般化
    F1 TV連携で、オンボード/チーム無線/ライブデータなどの並行視聴が国内で標準化。戦略の伏線(アンダーカット、アウトラップ、バッテリーSOC等)が“見える化”され、ライト層の理解曲線も下がる。
  2. 地上波の役割
    5戦とはいえ“無料のタッチポイント”は破壊力がある。特に日本GP・開幕周辺・話題性の高い欧州ラウンドを地上波で押さえれば、SNSの同時多発的な盛り上がりが戻る。
  3. 配信×CSの棲み分け
    FODは機動性と可用性、CSは作り込まれた番組体験。ユーザーは生活導線(家か外か、家族同居環境か)で使い分ける時代に入る。

8. 2026年シーズンの“見所”早読み

  • 新レギュレーション初年度:空力・PU・ERSのトレードオフが最大化。開発レースの初動が年間順位を左右。
  • ホンダPU×アストン高速・複合コーナー鈴鹿での仕上がり具合が実力の試金石。
  • レッドブルの陣容変動:主力の組み合わせやサテライト側の若手起用で勢力図が変形する可能性。
  • 日本勢の存在感:角田の去就次第で“物語の軸”が変わる。国内露出の増加はスポンサー獲得やモータースポーツ市場の熱量にも波及。

9. 実務メモ:ファンのためのチェックリスト

  • チケット/アクセス:鈴鹿公式の日本GPページ英語ページで最新情報を必ず確認。宿泊は早割・近鉄/名古屋経由の動線確保が吉。
  • 放送/配信:2026年はフジテレビの公式告知FOD INFOを一次情報としてチェック。地上波の対象ラウンドや編成は随時更新される見込み。
  • 情報源:速報はautosport web、深掘りはEngine、Formula1-Dataなどを併読すると理解が早い。

10. まとめ

フジテレビの独占+F1 TV連携+地上波復活は、“広く・深く・長く”F1を楽しむための最適解に近い。視聴者にとっては導線がシンプルになり、体験はよりデータリッチに。
2026年の日本GP(3/27〜29・鈴鹿)は新時代の“初の国内決戦”。ホンダ×アストンの船出、角田の新章、勢力図の再編――このタイミングでF1に戻る(始める)価値は大きい

主要ソース

  • フジの独占・地上波復活・編成方針:スポニチ、FOD INFO、めざましmedia。
  • DAZNのF1配信終了:F1-Gate。
  • 公式系・権利/連携の確認:autosport web。
  • 2026年日本GP日程:鈴鹿サーキット公式(日本語/英語)、autosport web、JAFモータースポーツニュース。
  • 角田の近況と発言:Formula1-Data。
  • ホンダ×アストンの狙い:ENGINE。
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